遺品整理で捨てずに残すものは?正しい処分方法を紹介

遺品整理で捨てずに残すものは?正しい処分方法を紹介

当然のことですが遺品と不用品は違います。そのため、実際に遺品整理するとなると本当に処分していいものか、処分してはいけないのではないかと悩む方も多いでしょう。ですが、遺品を全て残しておくことは現実的に困難ですので、やはり遺品整理をしなければなりません。ここでは、何を残して何を処分するのか、遺品整理の方法についてお伝えします。何度も経験するものではないからこそ大変な作業ですが、ぜひ参考にしてみてください。

遺品整理で残すもの

遺品整理は、残すものと処分するものを仕分けることが基本作業です。人それぞれ何を残したいかは異なりますが、一般的に残したほうがいいもの、残すことが多いものを見ていきましょう。

金銭的に高い価値があるもの

金銭的に価値の高いものは売却してお金にすることもできますし、そのまま相続しても資産になりますので残しておきます。相続にも関係しますので、トラブルを避けるためにも安易に処分しないようにしましょう。

例えば貴金属製品はもちろんですが、メガネやトロフィーのように、金などの素材を含む製品も価値があります。また、美術品や骨とう品、着物、家電、ブランド品、切手や古銭などのコレクション系、ゴルフ用品、高級酒や年代物のお酒も高値がつくことがあります。

これらを売却する際には、その品に関する鑑定書や証明書、入っていたケースなどの付属品があったほうが査定が高くなります。また、できるきれいにしておくのも高く買い取ってもらうためのポイントです。ただし切手や古銭のように、きれいにすると逆に価値が下がってしまうものもあるので気を付けてください。

故人の生前の契約に関するもの

契約に関するものは残しておきましょう。契約に関するものとは、クレジットカードなどのカード類、保険や不動産の契約書、公共料金の領収書、身分証明書や印鑑などです。そして、解約が必要な契約については速やかに手続きをしましょう。また、年金の受給や公共料金の支払い状況なども早めに確認しないとトラブルの原因になりますので注意が必要です。

借りもの

他人から借りたものは処分厳禁です。本来の持ち主に返さなければいけないものですので、勝手に処分すると弁償問題になりかねません。ですが、借りものかどうかの判断が難しいものもありますので、借りものの可能性が高い場合は残しておいたほうが無難です。もしかすると故人の死を知った貸し主から連絡が入るかもしれませんので、3回忌を目安に保管しておきましょう。

心理的に大切なもの

心理的に大切なものとは、直接的に故人を偲ぶことができるものです。特に、写真は残しておくようにしましょう。写真の場合、量が多ければデータとして保存しておく方法もあります。また、人によっては故人が書いた字を残しておきたい方もいるでしょう。他にも、見ることや触れることで故人を思い出すというものがあれば、ぜひ残しておいてください。

処分することがメインの遺品整理

遺品整理を進めていくと、本当に処分していいのか悩むことも多いでしょう。ですがそこは割り切って「処分することが遺品整理の本来の目的」であることを再認識してみましょう。本当に必要なもの以外は処分するという原則に基づいて、作業を進めていかなければなりません。「残したほうがいいかな」と思って残しておいた遺品は、使うことなく置き場に困り、最終的に処分することになるケースがほとんどです。

そして、仕分けが済んだ後は適切な方法で処分を進めていきましょう。まず、燃えるごみや燃えないごみは自治体のルールに従って処分します。大型の家具や家電は、自治体の粗大ごみの回収や民間の不用品回収を利用するか、リサイクルショップの買い取りを利用する方法もあります。

また、賃貸物件などで部屋を明け渡す必要がある場合、遺品整理を終わらせなければならない期限があります。もし遺品が多くて分類するのも大変だったり、整理する時間がなかったりなど、自分で整理するのが難しいようであればプロの遺品整理業者に依頼するというのも一つの方法です。遺品の処分だけでなく買い取りにも対応した業者ありますので、効率よく遺品整理を終わらせることができるでしょう。

業者に遺品整理を依頼する際のポイント

では、遺品整理業者に依頼する際のポイントを見ていきましょう。

捨ててほしくないもののリストを作る

遺品整理業者はプロなので作業はスムーズに進めてくれますが、故人との面識もなければ、依頼者と故人の間にどのような思い出があるかまでは知りません。そのため、残しておきたいものは自分で仕分けしておいた方が安心です。それでも見落としがあるかもしれませんので、捨ててほしくないもののリストを作成し、作業員に渡しておくとよいでしょう。自分で仕分けする時間さえないという場合、なおさらリストを渡して要望を伝えておく必要があります。

また、自分で仕分けする際には、残しておくか処分するかどうしても迷った時のために「保留ボックス」を用意しておくと便利です。保留ボックスに入れたものは、後日他の遺族と相談して処分するかを検討してみてください。

遺品整理業者は慎重に選ぶ

先ほどご紹介した「捨ててほしくないリスト」を作業員に渡しても、適当に扱われてしまっては意味がありません。そのため、遺品整理業者を選ぶ際は料金だけに惑わされず、慎重に検討しましょう。残念ながら、中には違法業者や悪徳業者も存在します。

きちんとした遺品整理業者であれば、一つ一つの荷物の中身を確認し、大切な物を誤って処分してしまうことがないよう細心の注意を払って作業を進めてくれます。捨ててほしくないリストにも誠意を持って対応してくれるはずです。また、処分するものであっても遺品として丁寧に扱ってくれるので、遺族も不快な思いをすることはないでしょう。

まとめ

遺品整理は何回も経験するものではないので、どのように作業を進めていいのか迷うのも当然です。そのためにも、残すものと処分するものの区別は一線を引いて作業するしかありません。そこに個々の思い入れを加味して、一つずつ整理していってください。